「何かを発信したいけれど、まだ人に見せられるレベルじゃないし……」
「もっと勉強して、ちゃんとした実績を作ってからじゃないと恥ずかしい」
そう思って、情報発信を始めることを先送りにしていませんか?
「完璧になってから始めよう」と思ってしまう気持ちは分かりますが、それはかなりもったいないことをしています。
実際、僕も以前からWebライター向けの情報発信をしているんですが「稼げるようになる前の、駆け出しのライターだった頃から、少しでも情報発信をしておくべきだった」という後悔があります。
この記事では、なぜ勉強してからの発信では遅いのか?実績ゼロの段階から発信を始めることにはどれだけ価値があるのか?ということについて、僕の経験を交えながら説明していきます。
きっかけはメルマガの読者さんからいただいた相談
先日、僕のメルマガに一通の相談が届きました。
個人情報が入っている部分もあったので、その点は除いて紹介します。
現在、35歳から始めたピアノを続けており、今年の夏と来年の冬に発表会があります。
そこに向けて練習を重ねています。
将来的には「対話*ピアノ演奏」という形も構想としてありますが、まだ具体的なサービス設計までは落とし込めていません。
今のフェーズでは、まず発表会までの過程や心の変化をリアルタイムで発信していくことが土台づくりとして自然なのではないかと感じています。
この順番(①挑戦の発信 →②コンセプト具体化→サービス設計)は妥当でしょうか?
現段階で改善できる点や、優先順位のズレがあれば教えていただきたいです。
まず僕は「この段階から情報発信をしていくのはイイね!ナイス!」と思いました。
ただ、後半の「コンセプト具体化」「サービス設計」の点については違うなと感じる部分があるので、こちらは補足として記事後半の方で触れていきます。
情報発信で上達の過程を発信する価値
情報発信においては、多くの人が「ある程度上手くなってから・詳しくなってから」と考えがちですが、実は上達の過程を発信することにも大きな価値があります。
その価値とは、以下の2つです。
- 遠い世界の人という印象がなくなる
- 「私も以前はこうでした」の証拠になる
1. 遠い世界の人という印象がなくなる
もし、完璧にピアノが上手くなってから情報発信を始めたらどうなるか?
見る側からすれば「へぇ〜、すごい人なんだな」とは思うものの「なんかすごそうな人だけど、自分とは住む世界が違う人だな」という印象になってしまいます。
一方で「今ちょうど頑張っているところです!」というプロセスを見せている人は身近に感じやすく「この人の言う通りにすれば自分もできるようになるかも!?」と期待を感じさせられます。
2. 「私も以前はこうでした」の証拠になる
もう一つの大きな価値は「私も以前はこうでした」という証拠・説得の材料を用意できることです。
例えば、ピアノを弾いている様子をYouTubeに残しておくとしますよね。
今はまだ指が上手く動かせなかったり、途中でつっかえたりしている動画。
これが5年後、10年後、あなたが教える立場になったとき、メチャクチャ価値がある動画になります。
例えば、将来誰かにピアノを教えることになって、その生徒さんが「やっぱり私には無理かもしれない……」と自信を失いかけているとき。
そんなときに、自分が未熟だった頃の動画を見せてあげてください。
「見てください。今の私からは想像できないかもしれないですけど、5年前はこんなに弾けなかったんですよ。だからあなたも大丈夫です」
この一言の説得力は、言葉だけで飾ったどんなアドバイスよりも重く、相手の心に突き刺さります。
こうした生々しい過去の記録は、後から作ろうと思っても絶対に作れません。
単純に継続のモチベーションにもなる
情報発信を勧める理由は、単にファンを作るためだけではありません。
自分自身がそのスキルを習得するための、強力なツールにもなります。
そもそも、多くの人が新しいことに挑戦しても、途中で投げ出してしまうのはなぜか?
それは、その挑戦が緊急ではないからです。
スキル習得・勉強は容易に挫折する
例えば、1ヶ月後に資格試験が控えていたり、今すぐ転職活動をしないと生活が立ち行かなかったりする状況なら、誰だって必死に動きますよね。
放っておいても継続できるはずです。
しかし、今回の相談者さんのピアノはどうでしょうか。
基本的にこれは趣味の領域です。
今日練習をサボったからといって、明日からご飯が食べられなくなるわけではありません。
だからこそ「今日は疲れたから明日でいいや」「やっぱり自分には向いてないかも」と、自分への言い訳が簡単に成立してしまいます。
そこで役に立つのが、情報発信をすることで生まれる他人の目です。
「言っちゃった手前やるしかない」という状況を作る
ブログやSNSで「今こういう練習をしています」「来月までにこの曲を弾けるようになります」と宣言すれば、周りから見られている感覚が生まれます。
「あ、この人結局続けられなかったんだな」と思われたくない。
こうした心理的な強制力が働くことで、自分一人では甘えてしまう場面でも「よし、今日も練習しよう」と続けることができるようになるんです。
【失敗談】僕が後悔していること
実を言うと、今こうして「今すぐ発信しましょう!」と伝えている僕自身、少しだけこの件に関する後悔があります。
というのも、僕はもともとWebライター向けの情報発信をしていて、現在もコンサルや講師としての活動をしています。

現状、特に問題が起きているわけではないんですが、今振り返ると「あの時、もっと泥臭い自分を残しておけばよかった」と感じることがあります。
今から当時の生々しさは再現できない
どんなに記憶力が良くても、時間が経つとどうしても成功した視点からのフィルターがかかってしまいます。
5年、10年と経ってから「あの頃は大変だったな」と振り返って語るのと、まさに今、壁にぶつかって苦しんでいる最中に発信するのとでは、言葉の重みがまったく違います。
僕がライターになりたての頃、例えばこんなことをリアルタイムでブログに書き残していたらどうだったでしょうか。
- 「今日も提案文を送ったけど、1件も仕事が決まらなかった……」
- 「せっかく納品したのに、クライアントから厳しい修正指示をもらって凹んでいる」
- 「今日、初めて報酬が振り込まれた。たった数百円だったけど、本当にネットで稼げるものなんだな」
こういうカッコ悪くて、生々しい、泥臭い記録。
これが今同じように悩んでいる誰かの希望になって、さらには僕自身の権威性を支える発信にもなったはずなんです。
今の僕は、どれだけ当時のことを思い出そうとしても、あの時の焦りや悔しさを100%再現・説明することができません。
当時の記録がない以上、今からそれを用意することも不可能です。
だからこそ
「最近、こんなことで悩んでいる」
「今日はこれができなくて悔しかった」
そんな素直な気持ちを、ブログでもSNSでもいいので少しずつ残しておいてください。
今は「こんなの誰が見るんだよ」と思うかもしれません。
しかし、その発信には間違いなく価値があります。
コンセプトもサービス設計も後回しでいい
冒頭で紹介した相談内容の中には、発信の次に「コンセプトの具体化、サービス設計と進めていけばいいのではないか?」という話がありました。
一応再掲しておきますね↓
現在、35歳から始めたピアノを続けており、今年の夏と来年の冬に発表会があります。
そこに向けて練習を重ねています。
将来的には「対話*ピアノ演奏」という形も構想としてありますが、まだ具体的なサービス設計までは落とし込めていません。
今のフェーズでは、まず発表会までの過程や心の変化をリアルタイムで発信していくことが土台づくりとして自然なのではないかと感じています。
この順番(①挑戦の発信 →②コンセプト具体化→サービス設計)は妥当でしょうか?
現段階で改善できる点や、優先順位のズレがあれば教えていただきたいです。
コンセプトは不要
たしかに、一般的には「コンセプトは超大事」みたいに言われがちです。
ですが、それに対して僕は「そんなこと考えなくていいですよ」という考えを持っています。
なぜなら、 個人が情報発信をしていれば、自然と属人性が差別化につながるからです。
例えば、あなたがネットで情報を探しているとき。
いちいち「この人のコンセプトは……」なんて分析しませんよね?
「あ、この人の言ってること、今の自分に刺さるな」
「この人の雰囲気、信頼できそうだな」
そうやって直感的に信頼できる人を選んでいるはずです。
コンセプトが重要になるのは、一瞬で相手の興味・関心を集めなければいけない広告集客の場合の話です。
ブログやSNS、YouTubeでじっくり集客していくつもりなら、小難しいコンセプトに頭を悩ませる必要はありません。
サービス設計も不要
もう一つ、多くの人が陥る罠は「先に立派なサービスを作ろうとすること」です。
ターゲットの悩みを深く知らないまま「こんなサービスなら売れるはずだ!」と一人で設計しても、高確率で的外れなものができあがってしまいます。
せっかく時間をかけて作ったのに、誰にも響かない……。
これほどもったいないことはありません。
正しい順番は逆です。
まずは売って(声を聴いて)から作るんです。
発信を続けていると、少しずつあなたのファン、同じ悩みを持つ人が集まってきます。
その段階でやるべきことは、たった一つ。
徹底的なヒアリングです。
例えば
- 「今、具体的にどんなことで悩んでいますか?」
- 「もし、こういうサービスがあったら興味ありますか?」
こんなアンケートをとったり、まずは1時間1,000円などで個別相談に乗ってみたりして、リアルな悩みを聞き出すんです。
その悩みに対する答えを形にしたものが、そのままあなたのサービスになります。
いきなり数ヶ月の長期コースを作る必要はありません。
まずは個別相談、次はお試しレッスン。
そうやって小さく始めて、お客さんの声に合わせて形を変えていく。
これが、個人がビジネスを始める上で最もリスクが低く、かつ確実に喜ばれるサービスを作る方法です。
まずは今やるべきことをやる
今回の相談者がやるべきことは、完璧なコンセプトを作ることでも、立派なサービスを設計することでもありません。
まずは今の未熟な自分を、そのまま世の中にさらけ出すこと。
そして、先のことは考えず、とにかくスキルの習得に集中すること。
まだまだ収益化を考える段階というには早すぎます。
